※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
五十歩と百歩。
数字だけ見ると、けっこう差があるよね。倍あるもの。これが「似たり寄ったり」という意味になるの、ちょっと不思議じゃない?
「五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)」は、多少の違いがあっても、大事なところでは変わらない、というたとえです。
意味をつかむ手がかりは、二人の兵士が進んだのか、逃げたのか。ここを押さえると、数字だけを覚えるより、ぐっと話がつながります。
五十歩の人も、百歩の人も、戦場から逃げていた
小学館『デジタル大辞泉』は、『孟子』の「梁恵王上」にある話を由来として説明しています。
戦場から五十歩逃げた人が、百歩逃げた人を臆病だと笑う。でも、逃げたという点では同じでしょう、という話です。
あああ、そっちの五十歩だったのか。
百歩を目指して頑張る人と、その半分まで進んだ人を比べる話として覚えると、言葉の意味がずれてしまうんだね。
「距離には差がある」「逃げた点は同じ」。この二つを、並べて考えてみよう。数字の違いを消すのではなく、何について同じだと言っているかを見るわけです。
由来と意味は、コトバンク掲載の小学館『デジタル大辞泉』などの解説で確かめられます。
例文は「違うところ」と「同じ問題」を一組に
では、自分で文を作ってみよう。ここからは説明用に作った例です。
「連絡せずに会議へ遅れた。二人の到着時刻には差があっても、事前連絡がなかった点では五十歩百歩だ」
比べている違いは、到着時刻。同じ問題は、連絡がなかったこと。何を基準にしているかまで書くと、読み手が置いていかれにくいです。
逆に、昨日より計算問題を多く解けた子に「五十歩百歩だね」と声をかけたら、どう聞こえるだろう。
『故事成語を知る辞典』の解説では、あまり優れてはいない、という否定的な響きに注意を促しています。頑張りを認めたい場面なら、解けた数が増えたことや、考え方が分かったことを、そのまま伝えるほうが合います。
ことわざを知ると使ってみたくなるけれど、相手に渡す前には一拍。「何を伝えたいんだっけ?」まで戻ってみてね。
覚えたら、自分の例を一つ。まんが辞典も手がかりになる
意味は分かった。でも、自分の例となると手が止まる。そういうときは、場面が描かれた辞典を読む方法もあります。
学研の『小学生のまんがことわざ辞典 改訂版』は、出版社の紹介によると、四コマまんがと意味・使い方の解説を組み合わせた本。ことわざや故事成語、慣用句など約600語を扱っています。
ただ、読み終わったら、そこで一つだけ自分の例を足してみよう。
二つの案を比べるなら、それぞれ何が違い、どんな問題が共通している? その説明が書けたら、「五十歩百歩」が合う場面かも考えやすくなります。
五十と百を見て終わりにせず、その奥の「何が同じ?」へ。次にこの言葉に出会ったら、そこまで読んでみて。短い言葉から、話し手がどこを問題にしているかも見えてきます。