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スマホで「ぬれてであわ」と打つとき、粟と泡で迷いませんか。
あれ、どっちだっけ。手が濡れているなら、泡のほうがそれっぽくない?
でも、このことわざは「濡れ手で粟」。苦労をあまりせず、大きな利益を得ることをいいます。頑張ったのに成果が消えた、という意味ではありません。
ここ、逆に覚えると話の向きまで変わっちゃうんですよね。漢字を一つ直すだけでなく、何が起きている場面なのかも見ておきましょう。
手についてくるのは、泡ではなく穀物の粒
粟(あわ)は、穀物の一種です。
濡れた手でつかむと、小さな粟の粒がたくさんくっつく。その様子を、少ない苦労で多くの利益を得ることに重ねた言葉なんです。
なるほど、つかんだものが消える話じゃなくて、手にどんどんついてくる話なんだね。
小学館『デジタル大辞泉』の「濡れ手で粟」では、「濡れ手に粟」という形も示されています。「で」か「に」かで迷ったら、どちらか一方を誤りにしなくて大丈夫。
一方、「泡」と書いて、努力が実らない意味にするのは誤りです。泡が消えるイメージが浮かんだら、いったん穀物の粟へ戻ってみてください。
売れた友達に、そのまま言っていい?
たとえば、友達が作った作品を販売して、注文がたくさん入ったとします。
うわあ、よかったね! それを伝えたい。
でも、そこで「濡れ手で粟だね」と言うと、どうでしょう。こちらは景気よく褒めたつもりでも、相手の準備や工夫を軽く見たように響くかもしれません。
この言葉には、苦労が少ないという意味が入っています。相手がどれだけ手をかけたか知らないなら、私なら「たくさん売れてよかったね」と、うれしい結果をそのまま伝えます。
辞書の意味を知ることと、今この人に使うかは、もう一段別の判断なんですよね。
意味の次は、使い方も一緒に読む
ニュースなどで見かけたら、「得をした人は誰か」「その利益は、楽に得られるものとして語られているか」を確かめると、文の流れを追いやすくなります。
紙の辞典を選ぶなら、三省堂の『新明解故事ことわざ辞典 第二版』も候補になります。出版社の案内では、意味だけでなく、補説や故事、用例、注意なども紹介されています。
言葉を知った勢いで使う前に、どんな文で使われるのかまで眺めたい人向けの選び方です。本を区別する番号であるISBNは、9784385139883。
まずは「泡じゃなくて、粒がくっつく粟」。そこをつかめれば、意味も一緒についてきます。
そして、お祝いしたい場面なら、お祝いの言葉で。知っていることわざを使わなくても、喜ぶ気持ちはちゃんと伝えられますからね。